池永征司(家暖リフォーム/株式会社コンクレタス 代表取締役社長)
コンクリート製品の開発と販売を手がけ、UA値0.19のコンクリート製の超高断熱住宅を開発しました。その経験をもとに、大分で家を壊さない断熱リフォームを始めました。記事は、現場で見てきたことと、国や研究機関の資料をもとに書いています。
暖房をつけても、窓際に立つとひやっとする。窓の下の床だけ冷たい。内窓は、そういう部屋に向く工事です。
窓は、家の中で熱が逃げやすい場所です。内窓は、その窓の部屋側に、熱を通しにくい窓をもう1枚足す工事です。アルミ枠・ガラス1枚の窓に、樹脂枠・Low-Eペアガラスの内窓を足すと、窓を通る熱は計算でおよそ7割減ります。部屋側のガラスと枠が冷えにくくなり、窓際のひやっと感と、足元へ落ちる冷気が減ります。
家暖リフォームは、今ある窓の内側に内窓を付ける工事を、大分県を中心に行っています。内窓取り付け工事は1〜2日ほどで、住みながらできます。どの窓から付けるか迷っている方は、ご相談ください。現地調査は無料です。
結論:内窓を付けると、窓際が冷えにくくなる
内窓を付けた部屋で変わることは、次のとおりです。
- 部屋側のガラス面と枠が冷えにくくなり、窓際のひやっと感が減る
- 窓で冷やされて床へ落ちる空気(コールドドラフト)が減る
- 窓から逃げる熱が減り、暖房の負担が軽くなる
- 新しく付けた内窓の、部屋に面するガラスでは結露が減る
- 外の音が届きにくくなる

窓・ドアから逃げる熱は、冬に約4割
国の省エネ基準くらいの断熱の木造の家の計算では、冬に逃げる熱の41.2%が窓・ドアなどの開口部でした。換気・外壁・床・天井より大きい割合です(日本建材・住宅設備産業協会 2025年12月 p.12)。計算の条件は、東京の気象・6地域で、居間と寝室は夜に厚手のカーテンを閉めるものです(同 p.9)。

図2 冬に家から逃げる熱の割合。日本建材・住宅設備産業協会 2025年12月 p.12 の計算(平成28年基準相当の断熱)。
開口部の熱の通しやすさは、外壁や屋根・天井の7〜12倍です(国土交通省 設計・施工編 全国版 p.57)。比べたのは、平成28年基準の代表的な仕様です。
内窓を付けると、この窓から逃げる熱が減ります。同じ室温を保つのに要る暖房が少なくて済み、暖房の負担が軽くなります。減るのは窓を通る熱なので、暖房代の下がり方は、窓の数と大きさ、暖房の使い方で変わります。
窓の面が冷えにくくなる仕組み
窓の断熱性は「熱貫流率」で表します。1㎡あたり、内外の温度差1℃で逃げる熱の量です。小さいほど熱が逃げにくい値です(国土交通省 設計・施工編 全国版 p.55)。
国の表では、単板ガラス(1枚ガラス)の窓は6.51です。樹脂枠にLow-E(低放射)のペアガラスを入れた窓は2.15〜2.91です(同 p.56 表3.4.3)。ガスの有無と中空層の厚さで変わります。内窓は、この樹脂枠・Low-Eペアガラスの窓を、今ある窓の部屋側に足す工事です。

図3 窓の仕様と熱貫流率。国土交通省 設計・施工編 全国版 p.54 図3.4.5、p.56 表3.4.3の値。外壁の0.53は、国の仕様基準で3〜7地域の外壁に求める値です。「単板ガラスの窓+内窓」の2本(1.61〜2.00と1.28)は、建築研究所の技術情報にある二重窓の式で計算した値で、国の表の値ではありません。
内窓を足した窓(二重窓)の値は、国の計算法の式で出せます(建築研究所の技術情報)。アルミ枠・ガラス1枚の窓に、樹脂枠・Low-Eペアガラスの内窓を足すと約1.6〜2.0です。6.51と比べると、窓を通る熱はおよそ7割減る計算です。Low-Eトリプルガラスの内窓なら1.28で、約8割減ります。下のツールで、窓の種類と大きさを選べます。
動かしてみる:窓の種類と、逃げる熱
オレンジのつぶは熱のイメージです。つぶの数は、逃げる熱の量に合わせています。逃げる熱=熱貫流率×窓の面積×温度差で、窓の寸法はおおよその例です。部屋20℃・外2.6℃(大分市の1月の日最低気温の平均。気象庁 平年値 1991〜2020年)として計算しています。熱貫流率は国の表の値です(国土交通省 設計・施工編 全国版)。内窓を足した窓は、建築研究所の計算法にある二重窓の式で、今の窓(6.51)と内窓の値から計算しています(建築研究所の技術情報)。エアコンは、価格.comの人気売れ筋(2026年10月)の6畳用・14畳用の製品の、仕様表の最大の暖房能力です。エアコンが実際に出せる暖房能力は、外の気温で変わります。石油ストーブ・ファンヒーターは、価格.comの人気商品の木造10畳用の最大の暖房出力です。どれも目安としてくらべています。日差しや風、カーテンで変わります。
今ある窓と、2つの窓のあいだの空気の層が、外の冷たさを二度さえぎります。そのため、部屋側のガラス面が冷えにくくなります。
窓際の体感には、この面の温度も影響します。国の手引きでは、体感温度は表面温度と室温の和のほぼ半分です(設計・施工編 全国版 p.18)。同じ室温20℃でも、窓の面が冷たい部屋ほど、窓際は寒く感じます。内窓は、この面を冷えにくくします。
窓際の冷気は、ガラスで冷やされた空気が床へ落ちるものです。手引きは、単板ガラスでは「室内の7割近くのスペースが低温になる」としています。Low-E複層ガラスなら大幅に改善する、とも書いています(同 p.20)。窓際の冷気のことは「窓際に立つとひやっとする冷気の正体|窓の寒さ対策は内窓から」の記事に書きました。
結露は、内窓のガラスで減る
結露は、暖かく湿った空気が、冷たい面に触れたときに出ます(設計・施工編 全国版 p.36)。内窓を付けると、部屋に面する内窓のガラスは、今の窓より温かくなります。そこでは結露が減ります(同 p.36)。

部屋の湿度が高いままだと、次の場所に結露が出ることがあります。
- 今ある窓と内窓のあいだ(部屋の湿った空気が入り込み、前より冷えた今ある窓に触れるため)
- 壁の隅や、外に面した壁の家具の裏(窓で結露しなくなった分、部屋に残る湿気が、断熱の弱いほかの場所で結露するため。同 p.156)
工事では、額縁(窓のまわりの木枠)と内窓のあいだに、すき間を作りません(同 p.154)。暮らしの中では、換気をして、室内の湿度を上げすぎないことが基本です(同 p.156)。

外の音と、すき間風も届きにくくなる
内窓を付けると、外の音は届きにくくなります(家暖リフォーム 窓暖プランのページ)。どれだけ静かになるかは、製品と窓の条件で変わります。
今ある窓のすき間から入る風も、内窓を閉めれば部屋に届きにくくなります。古いアルミサッシのすき間風が減る理由は「内窓で家の気密は上がる?古いアルミサッシのすき間風が減る理由」の記事に書きました。
コンセントや壁ぎわから入る空気は、窓とは別の所から来ます。床下から壁の中を通る空気なら、気流止めでふさぎます。

窓の次に考える場所:床と壁の中
窓際が楽になったあと、足元の冷えが気になる家もあります。床板の下の断熱材が足りないことや、床下の空気が壁の中を通っていることが考えられます。床の冷えは「床下断熱の効果は?足元の冷えが変わること、変わらないこと」の記事に書きました。壁ぎわの冷えは「気流止めとは?床下から壁の中を通って天井裏へ抜ける冷気を止める」の記事に書きました。
部屋の上下の温度差も、家全体の断熱で決まります。国の手引きでは、断熱が十分な家は、天井付近と床付近の温度差が3℃以内です。不十分な家は10℃以上になることがあります(設計・施工編 全国版 p.18)。
窓を先にするか、床を先にするかは、冷たい場所で決めます。

3つが重なる家では、窓と床下を一緒に考えます。現地調査では、入れる家では専門の職人が床下・天井裏に入り、入れない家は見える範囲で、今の断熱の状況を確かめます。
家暖リフォームの窓暖プラン:今ある窓の内側に、樹脂枠の内窓
家暖リフォームの窓暖プランは、今ある窓の内側に内窓を付ける工事です。内窓は樹脂枠で、Low-Eのペアガラスが入っています。トリプルガラスの内窓にも対応しています。費用はペアガラスのおよそ1.5倍です。今ある窓は外さず、そのまま残します。窓枠の奥行きが足りない窓には、奥行きを足す「ふかし枠」を付けます。それぞれ経験豊かな専門業者とタッグを組み、信頼性の高い工事を行っています。
今ある窓をトリプルガラスの窓に替えるカバー工法にも対応しています。今ある窓枠を残し、その上から新しい窓の枠をかぶせて取り付ける工法です(設計・施工編 全国版 p.154)。開け閉めが1回で済みます。

内窓取り付け工事は1〜2日ほどで、住みながらできます。費用は窓の数と大きさで変わるので、現地調査のあとに見積りを出します。料金の目安はプランのページにあります。
補助金:先進的窓リノベ2026の内窓(2026年10月30日に確認)
国の「先進的窓リノベ2026事業」は、内窓の設置に定額の補助を出しています。戸建住宅の1か所あたりの額は、製品の性能区分と窓の大きさで決まります(環境省 内窓設置のページ)。
ほかに、4.0㎡以上の特大の区分があります。Uwは、今の窓をアルミ枠・ガラス1枚とみなして、内窓と合わせた窓の熱貫流率です(先進的窓リノベ2026事業 登録・運用マニュアル)。

図9 内窓1か所の補助額(戸建住宅)。先進的窓リノベ2026事業 内窓設置のページ(2026年10月30日に確認)。Pは Uw 1.1以下、Sは Uw 1.5以下の製品です。
条件と期限は、次のとおりです(同 事業概要のページ、2026年10月16日のお知らせ)。
- 1回の申請で、補助額の合計が5万円以上
- 1戸あたりの上限は100万円
- 交付申請の予約は、遅くとも2026年11月16日まで
- 交付申請は、遅くとも12月31日まで
- 予算が尽きれば、その時点で終わる
二重窓の式で出した約1.6〜2.0は国の表の値で計算した例で、補助の対象かどうかはここから分かりません。補助の区分は、使う登録製品の性能証明書に書かれた性能区分で確かめます。使える補助金があるかは、現地調査のときにご相談ください。
よくある質問
どの窓にも内窓は付きますか。
国の手引きでは、引違い窓・上げ下げ窓・外開き窓に、内窓が向いています。内倒し窓など、部屋側に開く窓には向きません(設計・施工編 全国版 p.154)。窓の重さが増えるので、窓の下地の強さも事前に調べます(同 p.155)。現地調査で、付く窓と付かない窓を分けてお伝えします。
一部屋だけ付けても、効きますか。
付けた窓のまわりから変わります。窓際の冷えと、その窓から逃げる熱が減ります。長くいる部屋の大きい窓から付けると、変わったことが分かりやすくなります。
夏の暑さにも効きますか。
西向きの窓なら、日差しをさえぎる型のLow-Eガラスで、夏の西日の熱を抑えられます。Low-Eガラスには、日射を取り込む型と、さえぎる型があります(同 p.54)。さえぎる型は、冬の日差しも入りにくくなります。窓の向きを見て、現地調査でお伝えします。
相談するとき
現地調査では、専門の職人が窓の種類、ガラスの枚数、額縁の奥行きと寸法を確かめます。内窓が付く窓と、ふかし枠が要る窓を分けてお伝えします。窓際で冷たさを感じる場所と時間帯を伝えていただければ、窓から手を付けるのがよいか、床が先かも含めてお伝えします。現地調査と見積りは無料です。
電話:0120-1181-46(フリーダイヤル)
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