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内窓で家の気密は上がる?古いアルミサッシのすき間風が減る理由

2026 11/01
窓・内窓

池永征司(家暖リフォーム/株式会社コンクレタス 代表取締役社長)
コンクリート製品の開発と販売を手がけ、UA値0.19のコンクリート製の超高断熱住宅を開発しました。その経験をもとに、大分で家を壊さない断熱リフォームを始めました。記事は、現場で見てきたことと、国や研究機関の資料をもとに書いています。

「風の強い日は、窓のあたりからスーッと冷たい風が来る」。古いアルミの引き違い窓では、よくあることです。内窓を付けると、窓から入るすき間風は部屋に届きにくくなります。家全体のすき間は、窓のほかにもあります。

窓まわりの風が気になる方は、ご相談ください。家暖リフォームの現地調査は無料です。

目次

結論:窓からのすき間風は減る。家全体の気密は、窓以外のすき間しだい

  • 古いアルミの引き違い窓は、障子の合わせ目や部品の当たる所から、風が入ります
  • 内窓を付けると、部屋側にもう1枚、すき間の少ない窓ができます。窓から入る風は、部屋に届きにくくなります
  • 家全体のすき間は、窓だけではありません。古い木造の家を調べた研究では、窓などの開口部は、すき間のおよそ2割でした
  • 残りは、床と壁の境目、天井と壁の境目、換気扇、コンセントなどです。ここは内窓では変わりません
窓のすき間から入る風。今の窓では部屋まで入り、内窓を付けると2つの窓のあいだに入り、部屋には届きにくい
図1 上は今の窓(ガラス1枚・アルミ枠)。下は、その部屋側に内窓を付けた窓です。今ある窓のすき間から入った風は、2つの窓のあいだを通るので、部屋に届く風は減ります。

「気密」とは、家のすき間の少なさ

気密は、家のすき間がどれだけ少ないかのことです。家全体の気密は「C値」という数字で表します。家じゅうのすき間の面積を足して、延べ床面積で割った値です(福井県 ふくいエコはぴねす住宅の認証基準 p.1)。小さいほど、すき間が少ない家です。

C値は、送風機で家の中と外に気圧の差をつけて測ります(同 p.1。JIS A 2201)。家全体で1つの数字になります。

C値の考え方。家じゅうのすき間の面積を足して、延べ床面積で割った値で、小さいほどすき間が少ない家。送風機で家の中と外に気圧の差をつけて測り、家全体で1つの数字になる
図2 C値は、すき間の面積の合計を延べ床面積で割った値。福井県 ふくいエコはぴねす住宅の認証基準 p.1。

古い木造の家は、すき間が多い傾向があります。昭和50年代までの測定をまとめた研究があります。北海道を除く温暖地の在来木造の戸建ては、C値12(cm²/m²)程度が中心でした(北方建築総合研究所 報告No.380 p.36)。例として、福井県の「ふくいエコはぴねす住宅」の認証があります。新築と家全体の断熱改修の家に、C値1.0以下を求めています(福井県 同 p.1)。

C値の横棒グラフ。小さいほど、すき間が少ない。棒は、北海道を除く温暖地の古い木造の戸建てを昭和50年代までに測った研究のまとめで、12程度が中心。この家の値ではない。点線は、ある県(福井県)の基準の例で、新築と家全体の断熱改修の家に1.0以下を求める。基準の値で、測った値ではない

図3 C値の例。棒は昔の測定をまとめた研究の値で、この家の値ではありません。点線はある県(福井県)の基準の例で、測った値ではありません。北方建築総合研究所 報告No.380 p.36、福井県 ふくいエコはぴねす住宅の認証基準 p.1。

家の広さとC値を動かすと、家じゅうのすき間を1か所に集めた穴の大きさが分かります。

動かしてみる:家じゅうのすき間を、1か所に集めると

C値は、専用の機械で測らないと分かりません。分からなければ、まず12で見てください。12は、昭和50年代までに測った木造の家の中心の値で、お宅の値ではありません
すき間を集めた穴 はがき1枚 (10×14.8cm)
すき間の合計:およそ 1,190 cm²
1か所に集めると、1辺およそ 34 cm の四角い穴
はがき およそ 8.0 枚分

C値は、家じゅうのすき間の面積の合計を、延べ床面積で割った値です(福井県 ふくいエコはぴねす住宅の認証基準)。1坪=約3.3㎡で計算しています。昭和50年代までに測った温暖地の在来木造の戸建ては、C値12程度が中心でした(北方建築総合研究所 報告No.380)。福井県の認証は、新築と家全体の断熱改修にC値1.0以下を求めています(同)。青い線は、すき間から入る風のイメージです。

国の手引きは、すき間を減らす目的を4つ挙げています(国土交通省 設計・施工編 全国版 p.76)。

  • すき間風を減らし、暖房と冷房の熱を逃がさない
  • 壁の中を空気が通るのを抑え、断熱材の効き目を保つ
  • 壁の中の結露を防ぐ
  • 換気を計画どおりに働かせる
国の手引きが挙げる、すき間を減らす目的4つの絵。すき間風を減らし暖房と冷房の熱を逃がさない。壁の中を空気が通るのを抑え断熱材の効き目を保つ。壁の中の結露を防ぐ。換気を計画どおりに働かせる
図4 すき間を減らす目的。国土交通省 設計・施工編 全国版 p.76。

古いアルミサッシから風が入る所

風が吹くと、家の内と外に気圧の差ができます。すると、窓の部品が当たる所からすき間風が出ます(日本サッシ協会 窓の性能10項目について p.2)。

引き違い窓で風が入りやすいのは、次の所です。

  • 2枚の障子が重なる合わせ目
  • 障子と窓枠が当たる上下と左右
  • 鍵(クレセント)のまわり

部品が傷んだり、障子がゆがんだりすると、すき間は広がります。

部屋の中から見た古いアルミの引き違い窓。風が入りやすいのは、2枚の障子が重なる合わせ目、障子と窓枠が当たる上下と左右、鍵(クレセント)のまわり。障子は、窓のガラスが入った動く戸
図5 引き違い窓で、風が入りやすい所。

窓の気密は、窓1枚ずつ試験で測ります。窓を箱に付けて空気を送り、通り抜けた空気の量を量ります(日本建築総合試験所 建具の気密性試験)。結果は、JIS で A-1〜A-4 の等級に分けられます。数字が大きいほど、すき間の少ない窓です(日本サッシ協会 同 p.2)。

等級 主な窓・ドア
A-1 室内の建具など
A-3 普通のサッシ・ドア
A-4 断熱・防音のサッシ・ドア

表1 窓の気密性の等級(日本サッシ協会 窓の性能10項目について p.2)。A-2 は A-1 と A-3 のあいだです。

A-3 は、木の葉や小枝が休みなく動くくらいの風(風速4m/s程度)が当たったときです。窓1㎡あたり、1時間に8㎥以下の空気が出入りします(同 p.2)。

窓の気密の等級はA-1からA-4で、数字が大きいほどすき間が少ない。A-3は普通のサッシ・ドアの等級。A-3の窓は、木の葉や小枝が休みなく動くくらいの風(風速4m/s程度)が当たったとき、窓1平方メートルあたり1時間に8立方メートル以下の空気が出入りする。8立方メートルは1辺が2mの立方体の大きさ
図6 窓の気密の等級と、A-3の窓で出入りする空気の量。日本サッシ協会 窓の性能10項目について p.2。

内窓を付けると、窓からの風はどう変わる

内窓は、今ある窓の部屋側に付ける、樹脂枠の窓です。今ある窓のすき間から入った風は、まず2つの窓のあいだに入ります。部屋に出るには、内窓のすき間をもう一度通らないといけません。そのぶん、部屋に届く風は減ります。

ただし、内窓と額縁(窓のまわりの木枠)のあいだにすき間があると、そこから風が回ります。国の手引きも、額縁と内窓のあいだにすき間ができないよう注意を求めています(設計・施工編 全国版 p.154)。そのため、額縁の寸法を現地で測り、それに合わせて内窓を作ります(同 p.154)。

内窓と額縁のあいだにすき間があると、2つの窓のあいだに入った風が、そこから部屋に回る。すき間なく付けると、部屋に届きにくい。額縁の寸法を現地で測り、それに合わせて内窓を作る
図7 額縁と内窓のあいだに、すき間を作らない。

内窓で冬の部屋がどう変わるかは「内窓を付けると冬の部屋はどう変わる?」に書いています。

窓まわりの風が気になる方は、ご相談ください。窓の種類と額縁の寸法を見て、内窓が付くかをお伝えします。

窓以外のすき間:内窓では変わらない所

今ある木造の家を調べた研究があります。気密の施工が不十分な14軒で、すき間がどこにあるかを分けています(北方建築総合研究所 報告No.380 p.36。松岡らの調査の紹介)。

気密の施工が不十分な木造の家14軒で、すき間がどこにあったかの割合の横棒グラフ。窓などの開口部21.4%、床と壁の境目11.1%、天井と壁の境目11.1%、換気扇8.9%、浴室の換気扇・点検口8.3%、コンセント・スイッチ6.5%、天井・床下の点検口6.5%、その他26.2%

図8 木造の家のすき間の場所。北方建築総合研究所 報告No.380 p.36。調べた14軒における、すき間の場所ごとの割合で、大分の家の数字ではありません。「その他」はレンジフード・和室・配電盤などを合わせたものです。

窓などの開口部は、すき間のおよそ2割でした。床と壁の境目や、コンセントのすき間は、内窓では変わりません。床下の空気が壁の中を通ってコンセントから出る話は「コンセントから冷たい風が出るのはなぜ?」の記事に書きました。床と壁の境目をふさぐ工事は「気流止めとは?」の記事に書きました。

家暖リフォームの窓暖プラン

家暖リフォームの窓暖プランは、今ある窓の内側に、樹脂枠の内窓を付ける工事です。ガラスはペアガラスもしくはトリプルです。トリプルガラスの費用は、ペアガラスのおよそ1.5倍です。窓枠の奥行きが足りない窓には、奥行きを足す「ふかし枠」を付けます。

今ある窓をトリプルガラスの窓に取り替えるカバー工法にも対応しています。それぞれ経験豊かな専門業者とタッグを組み、信頼性の高い工事を行っています。

家暖リフォームの窓暖プラン。今ある窓の内側に、樹脂枠の内窓を付ける。額縁の奥行きが足りる窓は額縁の中に付け、窓枠の奥行きが足りない窓には、奥行きを足すふかし枠を付ける。ガラスはペアガラスもしくはトリプル。今ある窓をトリプルガラスの窓に取り替えるカバー工法にも対応。カバー工法は、今ある窓枠を残し、その上から新しい窓の枠をかぶせて取り付ける工法
図9 窓枠の奥行きが足りない窓には、ふかし枠を付ける。カバー工法の説明は、設計・施工編 全国版 p.154。

内窓取り付け工事は1〜2日ほどで、住みながらできます。料金の目安はプランのページにあります。使える補助金があるかは、現地調査のときにご相談ください。

よくある質問

内窓を付けると、家のC値はいくつ下がりますか。

内窓の前と後で家全体のC値を測った公的な実測は、調べた範囲では見つかりませんでした。窓は家のすき間の一部なので、下がり方は家ごとに違います。

すき間を減らすと、空気がこもりませんか。

気密性が高まりますが、設計通りの換気ができていれば問題ありません。

すき間テープでは足りませんか。

すき間テープは、窓の合わせ目など、目に見えるすき間に貼れます。床と壁の境目のような見えないすき間には届きません。効き目は貼り方と窓の状態で変わり、数字で示した国の資料は見つかりませんでした。

相談するとき

現地調査では、専門の職人が窓の種類、額縁の奥行きと寸法を確かめます。入れる家では床下・天井裏にも入り、入れない家は見える範囲で、今の断熱の状況を調べます。風を感じる窓と、風の強い日の様子を伝えていただければ、窓が先か、気流止めが先かも含めてお伝えします。現地調査と見積りは無料です。

電話:0120-1181-46(フリーダイヤル)
お問い合わせ:お問い合わせフォーム

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