池永征司(家暖リフォーム/株式会社コンクレタス 代表取締役社長)
コンクリート製品の開発と販売を手がけ、UA値0.19のコンクリート製の超高断熱住宅を開発しました。その経験をもとに、大分で家を壊さない断熱リフォームを始めました。記事は、現場で見てきたことと、国や研究機関の資料をもとに書いています。
「風の強い日は、窓のあたりからスーッと冷たい風が来る」。古いアルミの引き違い窓では、よくあることです。内窓を付けると、窓から入るすき間風は部屋に届きにくくなります。家全体のすき間は、窓のほかにもあります。
窓まわりの風が気になる方は、ご相談ください。家暖リフォームの現地調査は無料です。
結論:窓からのすき間風は減る。家全体の気密は、窓以外のすき間しだい
- 古いアルミの引き違い窓は、障子の合わせ目や部品の当たる所から、風が入ります
- 内窓を付けると、部屋側にもう1枚、すき間の少ない窓ができます。窓から入る風は、部屋に届きにくくなります
- 家全体のすき間は、窓だけではありません。古い木造の家を調べた研究では、窓などの開口部は、すき間のおよそ2割でした
- 残りは、床と壁の境目、天井と壁の境目、換気扇、コンセントなどです。ここは内窓では変わりません

「気密」とは、家のすき間の少なさ
気密は、家のすき間がどれだけ少ないかのことです。家全体の気密は「C値」という数字で表します。家じゅうのすき間の面積を足して、延べ床面積で割った値です(福井県 ふくいエコはぴねす住宅の認証基準 p.1)。小さいほど、すき間が少ない家です。
C値は、送風機で家の中と外に気圧の差をつけて測ります(同 p.1。JIS A 2201)。家全体で1つの数字になります。

古い木造の家は、すき間が多い傾向があります。昭和50年代までの測定をまとめた研究があります。北海道を除く温暖地の在来木造の戸建ては、C値12(cm²/m²)程度が中心でした(北方建築総合研究所 報告No.380 p.36)。例として、福井県の「ふくいエコはぴねす住宅」の認証があります。新築と家全体の断熱改修の家に、C値1.0以下を求めています(福井県 同 p.1)。

図3 C値の例。棒は昔の測定をまとめた研究の値で、この家の値ではありません。点線はある県(福井県)の基準の例で、測った値ではありません。北方建築総合研究所 報告No.380 p.36、福井県 ふくいエコはぴねす住宅の認証基準 p.1。
家の広さとC値を動かすと、家じゅうのすき間を1か所に集めた穴の大きさが分かります。
動かしてみる:家じゅうのすき間を、1か所に集めると
C値は、家じゅうのすき間の面積の合計を、延べ床面積で割った値です(福井県 ふくいエコはぴねす住宅の認証基準)。1坪=約3.3㎡で計算しています。昭和50年代までに測った温暖地の在来木造の戸建ては、C値12程度が中心でした(北方建築総合研究所 報告No.380)。福井県の認証は、新築と家全体の断熱改修にC値1.0以下を求めています(同)。青い線は、すき間から入る風のイメージです。
国の手引きは、すき間を減らす目的を4つ挙げています(国土交通省 設計・施工編 全国版 p.76)。
- すき間風を減らし、暖房と冷房の熱を逃がさない
- 壁の中を空気が通るのを抑え、断熱材の効き目を保つ
- 壁の中の結露を防ぐ
- 換気を計画どおりに働かせる

古いアルミサッシから風が入る所
風が吹くと、家の内と外に気圧の差ができます。すると、窓の部品が当たる所からすき間風が出ます(日本サッシ協会 窓の性能10項目について p.2)。
引き違い窓で風が入りやすいのは、次の所です。
- 2枚の障子が重なる合わせ目
- 障子と窓枠が当たる上下と左右
- 鍵(クレセント)のまわり
部品が傷んだり、障子がゆがんだりすると、すき間は広がります。

窓の気密は、窓1枚ずつ試験で測ります。窓を箱に付けて空気を送り、通り抜けた空気の量を量ります(日本建築総合試験所 建具の気密性試験)。結果は、JIS で A-1〜A-4 の等級に分けられます。数字が大きいほど、すき間の少ない窓です(日本サッシ協会 同 p.2)。
| 等級 | 主な窓・ドア |
|---|---|
| A-1 | 室内の建具など |
| A-3 | 普通のサッシ・ドア |
| A-4 | 断熱・防音のサッシ・ドア |
表1 窓の気密性の等級(日本サッシ協会 窓の性能10項目について p.2)。A-2 は A-1 と A-3 のあいだです。
A-3 は、木の葉や小枝が休みなく動くくらいの風(風速4m/s程度)が当たったときです。窓1㎡あたり、1時間に8㎥以下の空気が出入りします(同 p.2)。

内窓を付けると、窓からの風はどう変わる
内窓は、今ある窓の部屋側に付ける、樹脂枠の窓です。今ある窓のすき間から入った風は、まず2つの窓のあいだに入ります。部屋に出るには、内窓のすき間をもう一度通らないといけません。そのぶん、部屋に届く風は減ります。
ただし、内窓と額縁(窓のまわりの木枠)のあいだにすき間があると、そこから風が回ります。国の手引きも、額縁と内窓のあいだにすき間ができないよう注意を求めています(設計・施工編 全国版 p.154)。そのため、額縁の寸法を現地で測り、それに合わせて内窓を作ります(同 p.154)。

内窓で冬の部屋がどう変わるかは「内窓を付けると冬の部屋はどう変わる?」に書いています。
窓まわりの風が気になる方は、ご相談ください。窓の種類と額縁の寸法を見て、内窓が付くかをお伝えします。
窓以外のすき間:内窓では変わらない所
今ある木造の家を調べた研究があります。気密の施工が不十分な14軒で、すき間がどこにあるかを分けています(北方建築総合研究所 報告No.380 p.36。松岡らの調査の紹介)。

図8 木造の家のすき間の場所。北方建築総合研究所 報告No.380 p.36。調べた14軒における、すき間の場所ごとの割合で、大分の家の数字ではありません。「その他」はレンジフード・和室・配電盤などを合わせたものです。
窓などの開口部は、すき間のおよそ2割でした。床と壁の境目や、コンセントのすき間は、内窓では変わりません。床下の空気が壁の中を通ってコンセントから出る話は「コンセントから冷たい風が出るのはなぜ?」の記事に書きました。床と壁の境目をふさぐ工事は「気流止めとは?」の記事に書きました。
家暖リフォームの窓暖プラン
家暖リフォームの窓暖プランは、今ある窓の内側に、樹脂枠の内窓を付ける工事です。ガラスはペアガラスもしくはトリプルです。トリプルガラスの費用は、ペアガラスのおよそ1.5倍です。窓枠の奥行きが足りない窓には、奥行きを足す「ふかし枠」を付けます。
今ある窓をトリプルガラスの窓に取り替えるカバー工法にも対応しています。それぞれ経験豊かな専門業者とタッグを組み、信頼性の高い工事を行っています。

内窓取り付け工事は1〜2日ほどで、住みながらできます。料金の目安はプランのページにあります。使える補助金があるかは、現地調査のときにご相談ください。
よくある質問
内窓を付けると、家のC値はいくつ下がりますか。
内窓の前と後で家全体のC値を測った公的な実測は、調べた範囲では見つかりませんでした。窓は家のすき間の一部なので、下がり方は家ごとに違います。
すき間を減らすと、空気がこもりませんか。
気密性が高まりますが、設計通りの換気ができていれば問題ありません。
すき間テープでは足りませんか。
すき間テープは、窓の合わせ目など、目に見えるすき間に貼れます。床と壁の境目のような見えないすき間には届きません。効き目は貼り方と窓の状態で変わり、数字で示した国の資料は見つかりませんでした。
相談するとき
現地調査では、専門の職人が窓の種類、額縁の奥行きと寸法を確かめます。入れる家では床下・天井裏にも入り、入れない家は見える範囲で、今の断熱の状況を調べます。風を感じる窓と、風の強い日の様子を伝えていただければ、窓が先か、気流止めが先かも含めてお伝えします。現地調査と見積りは無料です。
電話:0120-1181-46(フリーダイヤル)
お問い合わせ:お問い合わせフォーム

