池永征司(家暖リフォーム/株式会社コンクレタス 代表取締役社長)
コンクリート製品の開発と販売を手がけ、UA値0.19のコンクリート製の超高断熱住宅を開発しました。その経験をもとに、大分で家を壊さない断熱リフォームを始めました。記事は、現場で見てきたことと、国や研究機関の資料をもとに書いています。
「暖房をつけているのに、コンセントから冷たい風が出てくる」。そういう家では、壁の中を床下の空気が通っていることがあります。気流止めは、その通り道を壁の上や下でふさぐ工事です。柱と梁で建てる昔ながらの木造の家で起きやすい現象です。北海道の研究所の報告は、1970〜80年代に建った家に多いとしています(北方建築総合研究所 報告No.380 p.6)。
結論と、先に家で確かめること
気流止めは、床下から壁の中に入って天井裏へ抜ける空気の流れをふさぐ詰め物です。入れる場所は、壁の中の上か下、またはその両方です(国土交通省 資料2-2 p.3)。家暖リフォームでは、床下点検口から床下に入り、1階の壁の下側に入れます。天井断熱も行うときは、可能な家では天井裏から壁の上側にも入れます。床も壁も壊さず、住んだままでできます。現地調査は無料です。
工事を考える前に、寒い日に暖房をつけた部屋で、次の2つを見てください。
- コンセントやスイッチのプレートに手をかざす。冷たい風が当たるか。ティッシュを1枚垂らすと、揺れで分かります。
- 壁ぎわの床(壁の足元の細い板、巾木のそば)に手を当てる。部屋の真ん中の床より冷たいか。
どちらか一つでも気になれば、その場所を現地調査のときにお伝えください。気流止めを施工できるかは、現地調査で確かめます。
なぜ起きるのか

柱と梁で建てる日本の木造を、在来工法といいます。在来工法で気流止めがない家では、壁の中の空洞が床下と天井裏につながっています。北海道の研究所の報告が、そう説明しています(北方建築総合研究所 報告No.380 p.6)。基礎の換気口から床下に入った外の空気は、床と壁の境目のすき間から壁の中に入ります。壁の中を上がって、天井裏(資料では小屋裏)へ抜けます。
国の資料は、気流止めが無いとこの通り道ができ、家の断熱性能を下げる大きな原因になると説明しています(国土交通省 資料2-2 p.3)。北海道の研究所の報告も同じです。気流止めの無い在来木造の家は、熱損失が多いとしています(北方建築総合研究所 報告No.380 p.6)。
コンセントやスイッチの箱は、壁の中の空洞と部屋をつなぐ穴です。壁の中を冷たい空気が通っていれば、その穴から部屋に風が出てきます。家暖リフォームの社長も、現場でコンセントから冷たい空気が出てくる家を見ています。
すき間の多い木造の家を調べた研究があります(同報告 p.36 が紹介する調査)。見つかったすき間の内訳は、次のとおりでした。
- 窓などの開口部:21.4%
- 床と壁の境目:11.1%
- コンセント・スイッチ:6.5%
調べた住宅群での割合です。コンセントは、壁の中の流れが部屋に出てくる場所の一つにすぎません。
家じゅうのすき間を1か所に集めると、どれくらいの穴になるかを、家の広さとC値(すき間の多さ)を動かして見られます。
動かしてみる:家じゅうのすき間を、1か所に集めると
C値は、家じゅうのすき間の面積の合計を、延べ床面積で割った値です(福井県 ふくいエコはぴねす住宅の認証基準)。1坪=約3.3㎡で計算しています。昭和50年代までに測った温暖地の在来木造の戸建ては、C値12程度が中心でした(北方建築総合研究所 報告No.380)。福井県の認証は、新築と家全体の断熱改修にC値1.0以下を求めています(同)。青い線は、すき間から入る風のイメージです。
困るのは寒さだけではありません。床下の湿った空気が壁の中に流れ込むと、壁の中の結露につながることがあります(同報告 p.6 が紹介する実験)。
上下を止めるか、下だけ止めるか
気流止めを入れる壁は、外壁と間仕切り壁(部屋と部屋のあいだの壁)です。入れる位置は、壁の上か下か、またはその両方です(国土交通省 資料2-2 p.3)。外壁の評価では、熱が逃げにくい順は上下両方・下だけ・上だけです。国の資料は、外壁の断熱性能を評価するときの係数を、入れ方で変えています(同 p.5)。
- 上下両方:1.0
- 下だけ:1.2
- 上だけ:1.3
これは外壁の評価に使う係数で、家全体の暖かさを比べた数字ではありません。
家暖リフォームの気流止めは、床下点検口(床にある、はずせるふた)から床下に入って行います。ふさぐのは、1階の壁の下側(土台の上、床の高さ)のすき間です。外壁も、間仕切り壁も止めます。冷たい空気の入口は床下なので、入口でふさぎます。
天井断熱も行うときは、可能な家では天井裏から壁の上側もふさぎます。床暖プラン(床暖房ではありません。床下だけの工事です)では、下側だけです。詰める材料はグラスウールです。詰め物も、断熱材と同じ1年保証(脱落・厚み減少)の対象です。壁や天井は壊しません。
工事の内容は、気流止め工事のページにあります。
直し方:自分でできること、頼むこと
自分でできるのは、気になる場所を控えておくことです。どのコンセントから風が出るか、どの部屋の壁ぎわが冷たいか、朝と夜のどちらが強いか。スマホで撮っておくと伝えやすくなります。現地調査のときに伝えてもらえると、見る場所がはっきりします。
ふさぐ場所は、床下から見た壁の下側です。床下は狭く、配管や配線もあります。作業は家暖リフォームにお任せください。それぞれ経験豊かな専門業者とタッグを組み、信頼性の高い工事を行っています。床下から入って壁の下をふさぎ、工事のあいだも普段どおり住めます。
| 方法 | 何が変わるか | 費用の目安 | 日数 | 向く家 |
|---|---|---|---|---|
| 気になる場所を控えて伝える(自分で) | 現地調査で見る場所がはっきりする | かからない | その日のうち | コンセントや壁ぎわの冷たさが気になる家 |
| 家暖リフォームの気流止め(床下から1階の壁の下側。天井断熱も行うときは、可能な家で壁の上側も) | 壁の中への流れが壁の下で止まる。家を壊さない | 床暖プラン・床天井断熱プラン・フルセットプランに含む(下の表) | ほとんどの家で数日 | 床下点検口から床下に入れる家。点検口が無い家は、ご希望があれば作ります(費用は別にかかります) |
費用と補助金
気流止めは、家暖リフォームの床暖プラン・床天井断熱プラン・フルセットプランに入っています。床暖プランは、床下断熱と、1階の壁の下側の気流止めです。床天井断熱プランは、床下断熱・天井断熱・気流止めの3つを一度に行います。床下断熱は、床板の下、床を支える木材(根太・大引)のあいだに厚さ80mmの高性能グラスウールを入れる床断熱です。基礎を断熱する工法とは違います。天井断熱は標準で230mmです。オプションで300mmにもできます。
気流止めで壁の中への流れを止め、床下断熱で床の下から、天井断熱で天井の上からの冷えを抑えます。費用は家の広さや床下の状態で変わるので、現地調査のあとに見積りを出します。料金の目安はプランのページに、中身は床天井断熱プランのページにあります。
使える補助金があるかは、お住まいの市町村や工事の内容で変わります。現地調査のときにご相談ください。
| プラン | 入っている工事 |
|---|---|
| 床暖プラン | 床下断熱80mm厚、気流止め(1階の壁の下側) |
| 床天井断熱プラン | 床下断熱80mm厚、天井断熱230mm(オプションで300mm)、気流止め(下側。可能な家では上側も) |
| フルセットプラン | 床下断熱、天井断熱、内窓、気流止め(下側。可能な家では上側も) |
よくある質問
壁に断熱材が入っている家でも、気流止めは要りますか。
壁の中を空気が通っていれば要ります。断熱材が入っていても、そのまわりを冷たい空気が通れば熱は逃げます。国の資料も、気流止めの入れ方で外壁の断熱の評価を変えています(国土交通省 資料2-2 p.5)。
どれくらい暖かくなりますか。
平屋か2階建てか、壁のどこを止めるかで変わります。暖房と冷房に要る熱の量の試算です(北方建築総合研究所 報告No.380)。
- 2階建てで、1階・2階の壁の上下すべて:札幌で49%減、東京で24%減(p.85・p.117)
- 2階建てで、1階の壁の下側だけ:東京の試算で4%減。上下すべての25%以下(p.84・p.116)
- 2階建てで、1階の壁の下側と天井裏に面する壁の上側の気流止めに、断熱の強化を組み合わせた場合(p.115・p.118)。
- 札幌:既存の天井断熱200mmの上に300mmを吹き足し、床は既存のまま。3割程度減(p.110)
- 東京:床にグラスウール(32K)80mm、天井に吹き込み300mmを新設。3割程度減(p.114)
- 平屋:上か下の一方でも、上下に近い効果(p.116)
家暖リフォームの気流止めは、床下から1階の壁の下側に入れます。天井断熱も行うときは、可能な家では天井裏から壁の上側にも入れます。
東京の試算とは、気流止めと床・天井の断熱を入れる場所が重なります。札幌の試算では、床は既存のままです。ただし、試算の家・地域と、断熱材の種類や厚さは、家暖リフォームの工事と違います。削減率は、そのまま当てはまりません。室温が何度上がるかは、この試算では分かりません。
2階の壁も止めますか。
床下から止めるのは、1階の壁の下側です。天井断熱も行うときは、可能な家では天井裏に面する壁の上側も止めます。2階建てなら、2階の壁の上側です。1階の壁の上側と2階の壁の下側(1階と2階のあいだ)には手を付けません。研究所の提案でも、この部分は省いてよい場所です。入れれば、さらに効くとされています(北方建築総合研究所 報告No.380 p.118)。
工事のあいだ、家にいてもいいですか。
はい。床下点検口から入って作業するので、住んだままで大丈夫です。工事は、ほとんどの家で数日です。
相談するとき
現地調査では、専門の職人が床下・天井裏に入って、今の断熱の状況を調べます。気流止めが施工できるかも、そこで確かめます。床下点検口が無い家や、床下が低くて入れない家は、見える範囲で確かめます。ご希望があれば、点検口を作ります(費用は別にかかります)。
コンセントの風だけでは、壁の中の様子までは分かりません。気になる場所を伝えていただければ、見たうえで、どのプランが合うかをお伝えします。現地調査と見積りは無料です。電話でもフォームでも、どちらでもかまいません。
電話:0120-1181-46(フリーダイヤル)
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