池永征司(家暖リフォーム/株式会社コンクレタス 代表取締役社長)
コンクリート製品の開発と販売を手がけ、UA値0.19のコンクリート製の超高断熱住宅を開発しました。その経験をもとに、大分で家を壊さない断熱リフォームを始めました。記事は、現場で見てきたことと、国や研究機関の資料をもとに書いています。
「今住んでいる家に、気流止めを後から入れられますか」。床下点検口から床下に入れる木造の家なら、壁を壊さずに入れられます。条件は、床下に人が入れる高さがあることと、点検口があることです。床下が低い家や、基礎で区切られて奥へ行けない家では、届かない所が出ます。気流止めが何かは、「気流止めとは?」の記事にあります。
床下に入れる家かどうかは、現地調査で確かめます。現地調査は無料です。
結論:床下に入れる家なら、壁を壊さず入れられる
家暖リフォームの気流止めは、床下点検口(床にある、はずせるふた)から床下に入って行います。詰めるのは、1階の外壁と間仕切り壁の下側です。土台の上、床の高さにあるすき間に、グラスウールを詰めます。壁も床も壊しません。

床下から入れられる家の条件は、2つです。
- 床下点検口があること。無い家は、ご希望があれば作ります(費用は別にかかります)
- 床下に、人が入って動ける高さがあること
この2つを満たしても、届かない所はあります。浴室のまわりや、基礎で区切られた奥の区画です。下の「届きにくい家・場所」で説明します。
後から入れる方法は3つある
建っている在来木造の家(柱と梁で建てる木造)に、気流止めを後から入れる改修の手法は、研究と現場で続けられてきました。北海道の研究所の報告が、その経緯を説明しています(北方建築総合研究所 報告No.380 p.4)。その一つが、土台や梁のまわりの外装材を一部はがす方法です。圧縮したグラスウールを壁の中へ入れ、はがした所を戻します(同 p.4)。
研究所が提案する入れる位置は、次の3か所です(同 p.118)。
- すべての外壁の上と下
- 天井裏に接する間仕切り壁の上
- 床下に接する間仕切り壁の下
基礎を断熱した家(基礎断熱)では、床下が外の空気とつながりません。そのため、気流止めは要りません(同 p.118、国土交通省 設計・施工編 全国版 p.78)。床板の下で断熱する家(床断熱)では、気流止めが要ります(同 p.78)。
後から入れる方法は、大きく3つです。
| 方法 | 入れる場所 | 壁や天井を壊すか |
|---|---|---|
| 壁の仕上げを一部はがして入れる | 壁の上側も下側も | はがした所を戻す工事が要る |
| 天井裏から入れる | 壁の上側 | 壊さない |
| 床下から入れる | 1階の壁の下側 | 壊さない |
家暖リフォームが行うのは、床下から入れる方法です。天井断熱も行うときは、可能な家では天井裏から壁の上側にも入れます。
床下から入れる場所
床下から手が届くのは、1階の壁の下側です。外壁も、部屋と部屋のあいだの間仕切り壁も詰めます。外の空気は、基礎の換気口から床下に入り、床と壁の境目から壁の中に上がります(国土交通省 資料2-2 p.3)。床下は空気の入口です。床下から届く範囲で、入口の通り道を狭めます。
2階建ての家では、床下から届くのは1階の壁の下側です。壁の上側は、天井断熱も行うときに、可能な家では天井裏から入れます。
研究所は、2階建てのモデルで暖冷房負荷の削減率を試算しました(北方建築総合研究所 報告No.380 p.116)。1階の壁の下側だけでは、壁の上下すべてに入れた場合の25%以下でした。家暖リフォームの工事で同じ数字になるとは限りません。くわしい数字は、「気流止めとは?」の記事の「どれくらい暖かくなりますか」にあります。
床下から手が届く家の条件
床下点検口があるか。床にはずせるふたがあれば、そこから床下に入ります。点検口が無い家は、床下の様子を見える範囲で確かめます。
床下に、人が入って動ける高さがあるか。建築基準法施行令は、木造の床の高さを、地面から床の上面まで45cm以上と定めています(第22条)。床下をコンクリートなどで覆う家は除きます。45cmは最低の値で、もっと高い家もあります。床板の下には、床を支える木材(根太・大引)があります。作業できる高さがあるかは、床の高さと根太・大引の位置を現地調査で確かめます。
基礎で区切られていないか。床下は、基礎の立ち上がりで区画に分かれています。基礎に人が通る穴(人通口。国土交通省 設計・施工編 全国版 p.86)があれば、奥の区画まで行けます。穴が無い区画には、点検口のある区画から入れません。そこにある壁の下側には、床下から手が届きません。
| 見る所 | 届く家 | 届かない家・対応 |
|---|---|---|
| 床下点検口 | ある | 無い。ご希望があれば作る(費用は別にかかります) |
| 床下の高さ | 人が入って動ける | 低くて入れない。見える範囲で確かめる |
| 基礎の区切り | 人通口で奥の区画まで行ける | 穴が無い区画の壁の下側には届かない |
| 浴室のまわり | 家ごとに違う | 現地調査で確かめる |
届きにくい家・場所
浴室のまわり。国の設計の手引きは、ユニットバスの床下が外気に近い温度になると説明しています。床下の冷気が、ユニットバスのまわりの壁の中や部屋に入ります(国土交通省 設計・施工編 全国版 p.85)。新築では、ユニットバスの下だけを基礎断熱にするか、ユニットバスと外壁や床の境目に気流止めを入れます(同 p.85)。建っている家で、浴室のまわりに床下から手が届くかは、家ごとに違います。現地調査で確かめます。
根太が邪魔をして、壁の奥まで入らない。北海道の研究所は、実物に近い壁を作り、床下から壁の下側にグラスウールを入れる実験をしました。床を支える根太が邪魔になりました。天井裏から入れるときのようには、壁の中まで完全に入りませんでした(北方建築総合研究所 報告No.380 p.24)。
空気の通りやすさを表す数字(有効開口面積)は、壁1mあたり1.2〜2.1平方cmでした。研究所が目標とする1平方cm以下には届きませんでした(同 p.25・p.31)。圧縮した専用の部材も、根太・大引・間柱が邪魔で入りませんでした(同 p.25)。
このため研究所の提案では、壁の下側は、部屋の内側か外側から仕上げを一部はがして入れます(同 p.119)。壁の上側は、天井裏に作業できる広さがあれば、天井裏から入れます(同 p.119)。
家暖リフォームは、壁をはがさず、床下から入れます。壁をはがして入れる方法より、止まり方は弱い可能性があります。そのかわり、壁も床も壊しません。住みながら工事でき、ほとんどの家では数日です。実験の壁は、根太が30cm間隔で、壁の中に横木(貫)と釘がありました(同 p.20・p.25)。お住まいの家で施工できる範囲は、現地調査で確かめます。
家暖リフォームの気流止め
気流止めは、床暖プラン(床暖房ではありません)に入っています。床暖プランは、床下断熱と、1階の壁の下側の気流止めです。どちらも床下点検口から入って行うので、一度の工事で済みます。詰める材料はグラスウールです。詰め物も、断熱材と同じ1年保証(脱落・厚み減少)の対象です。

工事は、ほとんどの家で数日です。住んだままでできます。それぞれ経験豊かな専門業者とタッグを組み、信頼性の高い工事を行っています。料金の目安はプランのページにあります。工事の内容は、気流止め工事のページにあります。
床天井断熱プランとフルセットプランでは、天井断熱も行います。可能な家では、天井裏から壁の上側にも気流止めを入れます。
お宅のすき間の多さの目安を、家の広さとC値を動かして見られます。家じゅうのすき間を1か所に集めた穴の大きさで、気流止めの工事の効果の数字ではありません。
動かしてみる:家じゅうのすき間を、1か所に集めると
C値は、家じゅうのすき間の面積の合計を、延べ床面積で割った値です(福井県 ふくいエコはぴねす住宅の認証基準)。1坪=約3.3㎡で計算しています。昭和50年代までに測った温暖地の在来木造の戸建ては、C値12程度が中心でした(北方建築総合研究所 報告No.380)。福井県の認証は、新築と家全体の断熱改修にC値1.0以下を求めています(同)。青い線は、すき間から入る風のイメージです。
よくある質問
自分で床下に入って詰めてもいいですか。
おすすめしません。床下は低く、配管や配線があります。研究所の実験では、壁の中の釘がグラスウールに引っかかりました。手に刺さることが多かったとあります(北方建築総合研究所 報告No.380 p.21)。詰める幅が広すぎると、シワができてすき間が残ります(同 p.27)。気になる場所を控えておいて、現地調査のときにお伝えください。
床下断熱を入れれば、気流止めの代わりになりますか。
なりません。研究所の実験では、根太のあいだに入れた床断熱のグラスウールは、空気を通しました。有効開口面積は壁1mあたり4.8平方cmで、気流止めを入れた壁より大きい数字です(同 p.26)。床下断熱と気流止めは、別の工事です。家暖リフォームの床暖プランには、両方が入っています。
相談するとき
現地調査では、専門の職人が床下・天井裏に入って、今の断熱の状況を調べます。床下に入れるか、どの壁まで届くかも、そこで確かめます。点検口が無い家や、床下が低くて入れない家は、見える範囲で確かめます。
コンセントから冷たい風が出る、壁ぎわの床が冷たい、といった場所を控えておいてください。伝えていただければ、見る場所がはっきりします。風の確かめ方は、「コンセントから冷たい風が出るのはなぜ?」の記事にあります。現地調査と見積りは無料です。
電話:0120-1181-46(フリーダイヤル)
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