池永征司(家暖リフォーム/株式会社コンクレタス 代表取締役社長)
コンクリート製品の開発と販売を手がけ、UA値0.19のコンクリート製の超高断熱住宅を開発しました。その経験をもとに、大分で家を壊さない断熱リフォームを始めました。記事は、現場で見てきたことと、国や研究機関の資料をもとに書いています。
冬の朝、家の中で息が白い。部屋の空気が、それだけ冷えているしるしです。
結論:熱は、夜のあいだに家から逃げている
- 暖房を切ると、熱は窓・天井・床・壁から逃げ、すき間から冷気が入ります
- 断熱改修を予定していた家の調査では、冬の寝室は、寝ている間のいちばん低い時で平均11.0℃でした
- 断熱改修の前後を測った320件では、帰宅から寝るまでの居間と脱衣所のいちばん低い室温が、平均3℃ほど高くなっていました

図1 夜に熱が逃げる所と、国の調査の数字。
今の断熱の状況は、家暖リフォームの現地調査で確かめられます。
息が白いのは、息の水蒸気が冷えるから
吐いた息の水蒸気が冷たい空気で冷えると、小さな水の粒になって白く見えます(気象庁の教材)。

冬の家の中は何℃くらい
国土交通省が、全国の約2,000軒で冬の室温を測りました。断熱改修を予定していた家です。寝室は、寝ている間のいちばん低い時で、平均11.0℃でした。
WHO(世界保健機関)が目安に挙げる18℃より、7℃低い値です。大分の1月は、1日の最低気温の平均が2.6℃です(気象庁)。

図3 冬の家の中と外の温度。
お宅の室温は、寝室や脱衣所に温度計を置くと分かります。消費者庁も、温度計で部屋の温度を見えるようにすることをすすめています。
寒い部屋と、血圧
WHOは、寒さから体を守れる室温を保つよう、強くすすめています。18℃は、その目安として示された温度です。高齢の人や持病のある人には、もっと高い室温が要るかもしれない、としています。
国土交通省の調査では、朝の居間が寒い家ほど、起きた時の上の血圧(最高血圧)が高くなっていました。居間が20℃から10℃に下がると、平均的な80歳の男性で、上の血圧が11.2(mmHg)高くなると、国土交通省は推計しています。家で測る上の血圧は、135以上が高血圧の目安です。

図4 居間が20℃から10℃になったときの、上の血圧が上がる幅。平均的な男性で計算した目安で、一人ひとりの値ではありません。
断熱改修の前と後
同じ調査で、断熱改修の前と後を測った320件があります。帰宅から寝るまでのいちばん低い室温は、居間も脱衣所も平均3℃ほど高くなりました。改修の中身は、家によって違います。
改修した人は、起きた時の上の血圧が平均3.5下がりました。改修しなかった人とくらべた結果です。血圧を下げるための工事ではありません。

図5 断熱改修の前と後の室温。
夜のあいだに、熱はどこから逃げる
暖房を切ると、部屋の熱は窓・天井・床・壁から外へ逃げます。床と壁の境目のすき間からは、床下の冷たい空気が入ります。

窓からは、熱がよく逃げます。窓の寒さは「窓際に立つとひやっとする冷気の正体」で書いています。窓1か所から逃げる熱は、下のツールで調べられます。数字が大きいほど、その窓から熱が逃げています。
動かしてみる:窓の種類と、逃げる熱
オレンジのつぶは熱のイメージです。つぶの数は、逃げる熱の量に合わせています。逃げる熱=熱貫流率×窓の面積×温度差で、窓の寸法はおおよその例です。部屋20℃・外2.6℃(大分市の1月の日最低気温の平均。気象庁 平年値 1991〜2020年)として計算しています。熱貫流率は国の表の値です(国土交通省 設計・施工編 全国版)。内窓を足した窓は、建築研究所の計算法にある二重窓の式で、今の窓(6.51)と内窓の値から計算しています(建築研究所の技術情報)。エアコンは、価格.comの人気売れ筋(2026年10月)の6畳用・14畳用の製品の、仕様表の最大の暖房能力です。エアコンが実際に出せる暖房能力は、外の気温で変わります。石油ストーブ・ファンヒーターは、価格.comの人気商品の木造10畳用の最大の暖房出力です。どれも目安としてくらべています。日差しや風、カーテンで変わります。
家暖リフォームでできること
- 窓:今の窓の内側に、もう1枚、樹脂枠の窓(内窓)を付けます
- 天井:天井裏に、綿のような断熱材(グラスウール)を、標準で23cmの厚さに吹き込みます。国が新築の天井に求める断熱の基準に届く厚さです
- 床:床下から、床板の下に断熱材を入れます(床暖プラン。床暖房ではありません)
- 壁とすき間:壁は壊さず、床下から、1階の壁の下側のすき間をふさぎます(気流止め)

料金の目安は、プラン・料金案内に載せています。
よくある質問
内窓だけで、室温は上がりますか?
室温の低下を減らすことができます。窓から逃げる熱が減るので、暖房を止めた夜のあいだも、室温が下がりにくくなります。どれだけ変わるかは、窓の大きさと数、家の断熱で違います。天井・床・すき間の工事と組み合わせると、さらに下がりにくくなります。
住みながら工事できますか?
できます。家暖リフォームは、家を壊さない断熱リフォームが中心で、住みながら工事できます。内窓は1〜2日ほど、床下・天井の工事も、ほとんどの家で数日です。
どこまで来てもらえますか?
大分県を中心に、九州一円にうかがいます。
補助金は使えますか?
使える補助金があるかは、現地調査のときにご相談ください。
相談するとき

現地調査には、必ず専門の職人が伺います。入れる家は床下・天井裏に入り、入れない家は見える範囲で、今の断熱の状況を調べます。点検口を新しく作ることもできます(費用がかかります)。時間は1〜2時間ほどです。
現地調査とお見積りは無料です。金額を見てから、断ることもできます。内窓以外の工事は、日程によりますが、現地調査から工事に入るまで1か月以内が目安です。
電話では「現地調査をお願いします」と伝えるだけでかまいません。受付は、基本的に平日です。
電話:0120-1181-46(フリーダイヤル)
お問い合わせ:お問い合わせフォーム
この記事の出典
- WHO「WHO Housing and health guidelines」(2018)p.34、p.36
- 国土交通省 スマートウェルネス住宅等推進事業 第2回中間報告 別添資料(2018年1月)p.1〜2
- 国土交通省 スマートウェルネス住宅等推進事業 第3回中間報告 別紙2(2019年1月)p.5
- 国土交通省 社会資本整備審議会 住宅宅地分科会「話題提供」資料4(2019年12月)p.7、p.20
- 消費者庁「年末年始、高齢者の事故に注意しましょう!」(令和7年12月23日)p.3
- 国土交通省「建築物省エネ法 木造戸建住宅の仕様基準ガイドブック 省エネ基準編 4〜7地域版」p.13(天井の断熱の基準。熱抵抗4.0)。マグ・イゾベール マグブローライトの製品ページ(熱伝導率0.052。23cmで熱抵抗およそ4.4)
- 気象庁 平年値(大分、1991〜2020年)
- 気象庁 仙台管区気象台「雲ができる仕組み」

