池永征司(家暖リフォーム/株式会社コンクレタス 代表取締役社長)
コンクリート製品の開発と販売を手がけ、UA値0.19のコンクリート製の超高断熱住宅を開発しました。その経験をもとに、大分で家を壊さない断熱リフォームを始めました。記事は、現場で見てきたことと、国や研究機関の資料をもとに書いています。
脱衣所とお風呂が寒いと、冬のお風呂の事故が心配です。お風呂で亡くなる人の多くは、高齢の人です。
結論:まず脱衣所と浴室を暖める。直すなら、冷える部屋と居間の温度差を小さく
- 入る前に、脱衣所と浴室を暖めます(消費者庁)
- 家を直すなら、脱衣所・浴室・トイレと、居間との温度差を小さくします(大分県)
- 家暖リフォームでは、窓・浴室・床・天井の工事を相談できます
今の断熱の状況は、家暖リフォームの現地調査で確かめられます。

ヒートショックとは
暖かい居間から寒い脱衣所に移ると、血圧が急に上がったり下がったりします。これがヒートショックです(国土交通省の家の省エネの手引き)。気を失って、湯船でおぼれることもあります(消費者庁)。
国土交通省の調査では、冬の脱衣所は、家にいる間の毎日のいちばん低い室温が、平均10.2℃でした。断熱改修を予定していた家の値です。

今日からできること

図3(消費者庁の注意から)
脱衣所には、暖房器具を置きます。浴室に暖房が無いときは、次のようにすると暖まります(大分県)。
- お湯を、シャワーで湯船にためる
- お湯がたまったら、かき混ぜて湯気を立て、ふたを外す
脱衣所に温度計を置くと、寒さが目に見えます(消費者庁・大分県)。WHO(世界保健機関)は、18℃を冬の室温の目安に挙げています。

お風呂でおぼれて亡くなる人は、増えている
家のお風呂でおぼれて亡くなった人は、2015年の4,804人から、2024年は7,194人に増えました。65歳以上が約95%です(厚生労働省)。

図5(厚生労働省 人口動態統計)
冬に多い
東京都監察医務院が調べた(検案した)東京23区の入浴中の死亡は、2022年1月が299件、7月が57件でした。病気で亡くなった人もふくむ数です。

図6(東京都監察医務院)
寒い家ほど、熱いお風呂に入りがち
熱いお湯に長くつかると、体温が上がりすぎて、気を失うことがあります(消費者庁)。国土交通省の調査(2017年の報告)では、居間か脱衣所の冬の平均室温が18℃未満の家では、42℃以上の熱いお風呂に入る人が多い、という関係が見られました。年齢・性別・所得の違いをそろえて比べた値(オッズ比)で、約1.8です。

図7(国土交通省の調査)
大分では
大分県内の数字では、別府市の救急搬送の分析があります。自宅のお風呂(風呂場と脱衣所)から運ばれたのは、2018〜2023年の6年間で363件。70代以上が約7割です。

図8(大分県温泉調査研究会報告)
家を直すなら:冷える部屋と居間の温度差を小さく
断熱は、窓・壁・床・天井から熱を逃げにくくすることです。断熱が弱い家では、暖房した居間と、日当たりが悪く暖房のない北側のトイレ・浴室の温度差が大きくなります(国土交通省の手引き)。大分県は、脱衣所・浴室・トイレの暖房器具と、断熱改修をすすめています。

家暖リフォームで相談できる工事は、次のとおりです。
- 窓:脱衣所やトイレの窓の内側に、もう1枚、熱を通しにくい樹脂の枠の窓(内窓)を付けます
- 浴室:冷えにくい断熱ユニットバスに替えます
- 床:床下から、床板の下に断熱材を入れます(床暖プラン。床暖房ではありません)
- 天井:天井裏に、綿のような断熱材(グラスウール)を吹き込みます

内窓・床下・天井の工事は、家を壊さず、住みながらできます。床下・天井の工事は、ほとんどの家で数日です。
料金の目安は、プラン・料金案内に載せています。使える補助金があるかは、現地調査のときにご相談ください。
相談するとき
現地調査には、必ず専門の職人が伺います。入れる家は床下・天井裏に入り、入れない家は見える範囲で、今の断熱の状況を調べます。床下や天井裏に入るふた(点検口)を、新しく作ることもできます(費用がかかります)。時間は1〜2時間ほどです。
現地調査とお見積りは無料です。金額を見てから、断ることもできます。内窓以外の工事は、日程によりますが、現地調査から工事に入るまで1か月以内が目安です。
電話では「現地調査をお願いします」と伝えるだけでかまいません。受付は、基本的に平日です。
電話:0120-1181-46(フリーダイヤル)
お問い合わせ:お問い合わせフォーム
この記事の出典
- 厚生労働省 人口動態統計(確定数)死亡 上巻 表5-35
- 消費者庁「年末年始、高齢者の事故に注意しましょう!」(令和7年12月23日)p.3
- 消費者庁「冬季に多発する高齢者の入浴中の事故に御注意ください!」(平成29年1月25日)p.1〜2
- 消費者庁「冬場に多発する高齢者の入浴中の事故に御注意ください!」(平成28年1月20日)p.3
- 東京都監察医務院「東京都23区における入浴中の死亡者数の推移」(令和5年11月15日)p.1
- 国土交通省 スマートウェルネス住宅等推進事業 第1回中間報告 別添資料(2017年1月)p.3
- 国土交通省 社会資本整備審議会 住宅宅地分科会「話題提供」資料4(2019年12月)p.7
- 国土交通省「住宅の省エネルギー基準 設計・施工編【全国(4〜7地域)版】第2版」(令和3年3月)p.19
- 大分県「ヒートショックを予防しましょう!」
- 大分県温泉調査研究会報告 第76号(令和7年8月)p.62〜63
- WHO「WHO Housing and health guidelines」(2018)p.34

