池永征司(家暖リフォーム/株式会社コンクレタス 代表取締役社長)
コンクリート製品の開発と販売を手がけ、UA値0.19のコンクリート製の超高断熱住宅を開発しました。その経験をもとに、大分で家を壊さない断熱リフォームを始めました。記事は、現場で見てきたことと、国や研究機関の資料をもとに書いています。
布団を出そうと押入れを開けると、中の空気がひやっとする。階段の下の物入れも冷たいけれど、どこからすきま風が来ているのだろう。
結論:考えられるわけは3つ。床下と天井裏から、すき間をふさいで断熱する
押入れの冷たさには、考えられるわけが3つあります。
- ふすまを閉めた行き止まりなので、暖房の熱が届きにくい
- 床の下と天井の上に、断熱材が入っていない家がある
- 古い木造の家では、床下の冷たい空気が壁の中を通ることがある
階段の下の物入れも、暖房の熱が届きにくく、床の断熱材を忘れがちな所です。
断熱材と壁の中には、部屋の中からは手が届きません。寒さを自分で止めるのは難しいです。暖房している部屋なら、ふすまを開けておくと押入れも暖まります。湿気は、すのこや除湿で自分で防げます。
家暖リフォームは、床下から壁のすき間をふさいで冷たい空気を減らし(気流止め)、床と天井に断熱材を入れます。押入れの床の下と天井の上、階段の下の床にも入れます。何℃変わるかは約束できません。
現地調査とお見積りは無料です。現地調査には、必ず専門の職人が伺います。

※イメージ図です。3つとも当てはまらない家もあります
押入れの中は、暖房の熱が届きにくい
押入れの中は部屋の熱が伝わりにくく、温度が低くなります。空気の流れも悪く、冷えやすい所です(東京都の指針、札幌市の案内)。
ストーブをつけていても、ふすまを閉めれば、中までは届きにくくなります。ふすまを開けておけば、押入れも暖まります。暖房しない部屋の押入れは、部屋の空気がもう冷たいので、なおさらです。

※イメージ図です
床の下と天井の上に、断熱材が入っていない押入れがある
押入れの床は、新築の工事でも断熱材を忘れがちな所です。押入れの上も、入れ忘れやすい所です(国土交通省の補助でつくられた断熱工事の手引き。以下、国の手引き)。部屋の床や天井に断熱材があっても、押入れの所だけ無いと、セーターの肘にだけ穴があいたような状態になります。
断熱材が使われ始めたころは、ふだん過ごす部屋に入れるものでした。古い家では、押入れの上や廊下・トイレに入っていないことがあります(建築研究所の講演資料)。床下の断熱材は、入っていてもすき間があると効き目が落ちます。

※イメージ図です
押入れの奥の壁の中を、床下の空気が通ることがある
壁の中の空洞が床下と天井裏につながっている家では、床下に入った外の空気が壁の中を上がり、天井裏へ抜けます。部屋と部屋のあいだの壁(間仕切り壁)の中が「煙突状態」になる家があります。
押入れの奥の壁も、外壁か間仕切り壁です。壁の中が床下につながっていれば、ここも空気の道になります。壁の中を冷たい空気が通ると、押入れの奥の壁も冷えることがあります。部屋の暖かい空気が、壁の中へ逃げることもあります(国の手引き)。

※イメージ図です。壁の中とすき間は大きく描いています
階段の下の物入れも、床の下に断熱材が無いことがある
戸を閉めた物入れは、押入れと同じ行き止まりで、暖房の熱が届きにくい造りです。階段の下の床も、断熱材を忘れがちな所です。階段は1階と2階をつなぐので、暖められた空気は上へ動きます(国の手引き、東京都の指針)。
アンケートで集めた声にも、階段で足元が冷えるという話がありました。
「特に階段が冷たいです。朝に急いでいる時などスリッパを履かずに靴下で階段を利用するのですが、その時冷たくて芯が冷えるような感覚になることがあります。」(福岡県・30代)

※イメージ図です
押入れでは、すのこと除湿で湿気をためない
冷たい押入れは結露しやすく、湿度が60%を超えるとカビやダニが出やすくなります。
- 床や側壁にすのこを置いて、空気を通す
- 除湿剤を置き、収納ケースの中には乾燥剤を入れる
- 家具は、壁から5cm以上あける
湿気の対策なので、冷たさは止まりません(東京都の指針、札幌市、北九州市の案内)。

※イメージ図です
部屋の温度と湿度は、温湿度計で一度見ておきましょう。窓際やエアコンの吹き出し口を避けて置きます。湿度の目安は40〜60%です(東京都の指針)。
冷たさのほうは、現地調査でご相談ください。現地調査には、必ず専門の職人が伺います。
床下と天井裏は、職人が入って調べる
断熱材と壁の中は、部屋からは見えません。現地調査では、職人が床下と天井裏に入り、今の断熱の状況を調べます。押入れの下と階段の下も見ます。寒い場所は、そのとき職人に伝えてください。
床下や天井裏に入るふた(点検口)が無い家や、低くて入れない家は、見える範囲で確かめます。ご希望があれば、点検口を作ります(費用がかかります)。床下や天井裏は危ないので、ご自分では入らないでください。

※イメージ図です
家暖リフォームでできること
工事で変わるのは、壁の中へ入る空気の量と、床と天井から逃げる熱です。気流止めをしても、空気が完全に止まるとは限りません。
- 床下点検口から入り、1階の外壁と間仕切り壁の下側のすき間をふさぎます(気流止め)
- 天井断熱をするときに、できる家では、天井裏から壁の上側のすき間をふさぎます
- 床板を支える木のあいだに、板状の断熱材(グラスウール)をはめ込みます。押入れの床の下、階段の下の床にも入れます
- 綿のようにほぐしたグラスウールを、天井の上に吹き込みます。押入れの天井の上にも入れます
壁の中に断熱材を入れる工事は、壁をはがす工事になるため、家暖リフォームでは基本的に行っていません。施工できるかは、現地調査で確かめます。
気流止めだけの工事は行っていません。床暖プラン(床下の断熱のセット。床暖房ではありません)には、壁の下側の気流止めが入っています。床天井断熱プラン(床下と天井の断熱のセット)は、できる家では壁の上側までふさぎます。2階建てでは、1階の壁の下をふさぎ、天井断熱をするときは、できる家で2階の壁の上もふさぎます。
工事は家を壊さず、住みながらでき、ほとんどの家で数日です。断熱材の脱落と厚み減少は1年保証で、気流止めの詰め物も対象です。
それぞれ経験豊かな専門業者とタッグを組み、信頼性の高い工事を行っています。料金の目安は、プラン・料金案内に載せています。

※イメージ図です
よくある質問
すのこを敷けば、押入れは暖かくなりますか?
すのこは空気を通して湿気をためない物で、暖める物ではありません。
押入れのすき間にテープを貼れば、すきま風は止まりますか?
壁の中や床下を通る空気には、テープが届きません。テープで止まる所は「すきま風テープを貼っても寒いのはなぜ?」にあります。壁の中へ入る空気は、床暖プランなどの気流止めで減らします。
押入れの天袋の上は、天井裏につながっていますか?
家によります。天袋の板を外して上がるのは危ないので、やめてください。天井裏は、家暖リフォームの現地調査で職人が入って調べます。
床下の換気口をふさげば、押入れは暖かくなりますか?
暖かくなるとは言えません。換気口は床下の湿気を外へ逃がす穴なので、冬でもふさがないでください(建築基準法施行令22条)。床から伝わる冷たさは床板の下の断熱で、床下から壁の中へ入る空気は壁の下のすき間をふさぐ工事で減らします。
気流止めをすれば、押入れの寒さはなくなりますか?
なくなるとは言えません。工事で減らすのは、床下から壁の中へ入る空気です。暖房の熱が届きにくい造りは残ります。家暖リフォームの気流止めは、床下の断熱と合わせて行います。天井の断熱も組み合わせられます。
相談するとき
現地調査には、必ず専門の職人が伺います。時間は1〜2時間ほどです。
現地調査とお見積りは無料です。金額を見てから、断ることもできます。使える補助金があるかは、現地調査のときにご相談ください。床下と天井の工事は、日程によりますが、現地調査から工事に入るまで1か月以内が目安です。
電話では「現地調査をお願いします」と伝えるだけでかまいません。受付は、基本的に平日です。
電話:0120-1181-46(フリーダイヤル)
お問い合わせ:お問い合わせフォーム
この記事の出典
- 木を活かす建築推進協議会「住宅省エネルギー技術講習テキスト 設計・施工編―全国(4〜7地域)版―」(令和2年度国土交通省補助事業、令和3年3月)。本文では「国の手引き」。紙面の番号で p.49(煙突状態)、p.74(壁の上下の納まり)、p.90(押入れ・階段下の床)、p.115(押入れの上)、p.116(冷気の侵入と暖気の逃げ)
- 東京都福祉保健局「健康・快適居住環境の指針 平成28年度 改定版」。本文では「東京都の指針」。紙面p.7(空気の上昇)、p.8・p.12(温度計・温湿度計)、p.11(湿度)、p.19(押入れの結露と温度)、p.20(対策。すのこは北側の押入れの対策)
- 札幌市保健福祉局保健所生活環境課「結露・カビ対策」(更新日 2026-08-04)
- 北九州市「住まいと健康ガイドブック」令和3年3月全面リニューアル版 紙面p.11(スノコ、乾燥剤)
- 建築基準法施行令 第22条(居室の床の高さ及び防湿方法)
- 建築研究所 平成20年度講演会テキスト 桑沢保夫「既存住宅の省エネルギー改修に関する研究」PDF p.3(押入れの上など居室以外の断熱材)
- 国土技術政策総合研究所 プロジェクト研究報告 第25号 第2章 紙面p.10(押入の天井から小屋裏へ入れる、という記述。茨城県つくば市の実験住宅1棟で、おおむね20年前の仕様を想定。報告に「天袋」の語は無い)
- 北海道立総合研究機構 北方建築総合研究所 調査研究報告 No.380『既存木造住宅の熱・湿気性能評価と断熱改修手法の構築に関する研究』2017年3月 PDF p.6(気流止めの無い在来木造。1970〜1980年代の建設物件が中心。北海道内の図)
- 家暖リフォームのアンケート「冬の家の寒さについて」(2026年11月1日回収。九州の戸建てについての答え100件、ランサーズで募集した有料のアンケート。引用は、引用に同意した人の答え)
- 探した範囲:国・国の研究機関・東京都・札幌市・北九州市・大学の公開資料を読んだ範囲では、押入れの中の温度、押入れに吹き込む風、押入れを名指しした壁の中の空気、天袋が天井裏につながる家の割合、階段の下の物入れの寒さの理由を書いたものは見つからなかった

