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断熱ユニットバスは、高断熱浴槽と壁・天井・床の保温材で選ぶ

2026 10/31
室温と健康 断熱の基本

池永征司(家暖リフォーム/株式会社コンクレタス 代表取締役社長)
コンクリート製品の開発と販売を手がけ、UA値0.19のコンクリート製の超高断熱住宅を開発しました。その経験をもとに、大分で家を壊さない断熱リフォームを始めました。記事は、現場で見てきたことと、国や研究機関の資料をもとに書いています。

お風呂を替えるなら、冷えにくいものにしたい。でも、メーカーで何が違うのかは、カタログを見ても分かりにくいです。

目次

結論:高断熱浴槽で、壁・天井・床に保温材がしっかり入っているものを選ぶ

メーカーは、お好みで選んでかまいません。選ぶときは、次の2つを見てください。

  1. 浴槽は、国の規格(JIS A 5532)の「高断熱浴槽」に当たるタイプを選ぶ。湯船のお湯が冷めにくくなります
  2. 壁・天井・床のどれにも、保温材(断熱材)がしっかり入っているものを選ぶ。浴室の空気が冷めにくくなります。カタログと見積りで、壁・天井・床のそれぞれに保温材が付くか(オプションなら見積りに入っているか)を確かめてください。保温の程度は、家暖リフォームがメーカーの仕様で確かめます

JISの高断熱浴槽は、湯船のお湯の基準です。浴槽がJISに当たっていても、それだけでは、お風呂場の暖かさは分かりません。お風呂場の暖かさは、2つめの壁・天井・床の保温材で見ます。

浴室暖房乾燥機も、おすすめです。保温材は浴室を冷めにくくするもので、暖めるものではありません。家暖リフォームの社長も、現場で「断熱材が入っても薄くて寒くなりがち」と話しています。浴室暖房乾燥機なら、入る前に浴室を暖めておけて、雨の日は洗濯物も乾かせます。

どのシリーズ・どの仕様にするかは、お宅の床下や浴室の寒さを見て、家暖リフォームがアドバイスします。

結論の絵。選ぶのは2つ。1つめ、浴槽はJISの高断熱浴槽(4時間で2.5℃以内)を選び、メーカー指定の保温のふたを付ける。湯船のお湯が冷めにくい。JISの浴槽だけでは、お風呂場の暖かさは分からない。2つめ、壁・天井・床のどれにも保温材がしっかり入っているものを選ぶ。浴室の空気が冷めにくい(各社の試験の条件で、クリナップは30分後に7.1℃、トクラスは45分後に約8℃の差)。浴室暖房乾燥機もおすすめ(洗濯物も乾く)。メーカーはお好みで。仕様の選び方は、お宅の床下や浴室の寒さを見て、家暖リフォームがアドバイスします

図1 選び方のまとめ

  • 高断熱浴槽は、決まった試験で、4時間でお湯の温度の下がりが2.5℃以内の浴槽です
  • メーカーが指定する保温のふたも付けます。ふたが無いと、高断熱浴槽に当たらないとするメーカーがあります。ジェットバスなど、対象から外れる仕様もあります
  • 壁・天井・床の保温材は、メーカーによって標準とオプションに分かれます。メーカー2社の試験では、付けた浴室の空気は、付けない浴室より、30分後に7.1℃、45分後に約8℃高い結果でした
  • 床下が冷たい家は、床の保温を強めた仕様にします
  • 国の補助金(みらいエコ住宅2026事業)は、居間などの窓の断熱工事と組み合わせ、条件を満たすと、登録された高断熱浴槽に1戸48,000円が出ます。浴室だけの工事では出ません

断熱ユニットバスとは

ユニットバスは、床・壁・天井・浴槽がひと組になったお風呂です。断熱のユニットバスは、その裏側に保温材を付けています。保温材は、発泡スチロールなど、熱を通しにくい材料です。

断熱ユニットバスの断面のイメージ。保温材は、天井・壁・床の裏と、浴槽のまわり、ふたの中に入る
図2

JISの「高断熱浴槽」とは:4時間で2.5℃以内

JIS(日本産業規格)の浴槽の規格 JIS A 5532 には、保温の性能で分けた区分があります。「高断熱浴槽」は、前からある保温の基準よりきびしい区分です。試験は、JIS A 1718 の「高断熱試験」で行います(日本建材・住宅設備産業協会の報告書)。

JISの前からある保温の基準と、高断熱浴槽の基準のくらべ。周りの温度は20℃から10℃に、お湯は45±2℃から40℃に、深さは8割から7割に。合格の線は、2時間で5℃以内から、4時間で2.5℃以内に

図3 前からある保温の基準と、高断熱浴槽の基準(日本建材・住宅設備産業協会の報告書から)

高断熱浴槽の試験は、周りが10℃の寒い条件です。40℃のお湯を深さの7割まで張り、4時間でお湯の温度の下がりが2.5℃以内なら合格です(図4)。前からある保温の試験は、「2時間で5℃以内」なら合格でした。高断熱浴槽の試験は、周りがより寒い条件で、「4時間で2.5℃以内」と合格もきびしくなっています。

カタログの「高断熱浴槽」の表示や、メーカーが出す適合の宣言(自己適合宣言)で確かめられます(パナソニック、LIXIL)。LIXILが比べた図(42℃から測った図)では、保温材の無いふつうの浴槽は、4時間で約7℃下がっています。

高断熱浴槽の試験のイメージ。周りの温度、お湯の温度と量、ふた、4時間で下がる温度

図4(日本建材・住宅設備産業協会の報告書から)

カタログや見積りでは、次の名前で出てきます(2026年10月時点)。標準で付くかは、シリーズやタイプで違います。

  • TOTO:魔法びん浴槽
  • LIXIL:サーモバスS
  • パナソニック:保温浴槽Ⅱ・保温浴槽(ソシエVのUV・MV)
  • タカラスタンダード:高断熱浴槽と断熱風呂フタ
  • クリナップ:高断熱浴槽(断熱組フタと浴槽保温材)
  • トクラス(古い資料ではヤマハリビングテック):AXIYは高断熱浴槽が標準

高断熱浴槽は、ふたを閉めて使う

LIXILは、保温のふたが無いと高断熱浴槽に当たらない、としています。パナソニックも、指定の断熱のふたを使うことを条件にしています。

日本建築学会の論文では、ふたを開けていると、高断熱浴槽でも断熱の効き目がはっきり見られませんでした。

ふたを閉めた浴槽と、ふたを開けたままの浴槽のイメージ
図5

次のときも、お湯はカタログの数字より早く冷めます。

  • 冬に給湯器が、配管の凍結を防ぐため、浴槽のお湯を回すとき(TOTO・LIXIL・クリナップ)
  • ジェットバスを付けたとき(クリナップ。パナソニックでは高断熱浴槽の対象外)

壁・天井・床:浴室ごと保温する仕組み

浴槽のほかに、壁・天井・床にも保温材を入れる仕組みがあります(2026年10月時点)。

  • TOTO(サザナ):床の「ほっカラリ床」は、P・T・S・Fタイプで標準です。天井と壁の「断熱材パック」はオプションです
  • LIXIL(スパージュ):壁・天井・床の保温材は、全部のタイプで標準です
  • パナソニック:「床・壁・天井断熱」
  • タカラスタンダード:「パーフェクト保温」。壁のパネルの裏に、発泡ウレタンを吹き付けています
  • クリナップ(ラクヴィア):「浴室まるごと保温」。天井・壁・浴槽の前の板・床に保温材が入ります
  • トクラス(AXIY):壁・天井・床の「フル断熱」は、オプションです
浴槽まわりの保温と、浴室ごとの保温のイメージ。浴室ごとの保温は、浴槽のほかに壁・天井・床にも保温材を入れる。標準で付くか、オプションかは、メーカーやシリーズで違う
図6 浴槽のほかに、壁・天井・床にも保温材

保温材の厚み:商品ページでは見当たらない

保温材だけの厚みは、6社の商品ページでは見当たりません。クリナップは、全体の厚みを出しています。

クリナップのラクヴィアは、保温材を含んだ天井が25mmです。壁のパネルは、前の25mmから14mmに薄くして、浴室全体の保温性能は保った、と説明しています。厚みの数字だけでは、保温の強さは分かりません。

クリナップ ラクヴィアの、保温材を含んだ天井は25mm。壁のパネルは前の25mmから14mmに薄くして、浴室全体の保温性能は保ったとクリナップは説明している。どちらもパネル全体の厚みで、保温材だけの厚みは6社の商品ページでは見当たらない

図7 クリナップ ラクヴィアの天井と壁のパネルの厚み(クリナップの説明から)

U値:床だけ、数字が出ている

U値は、熱の通しやすさを表す数字です。小さいほど、熱を通しにくい床や壁です。同じメーカーの中で、床の仕様を選ぶときの目安になります。

ユニットバスでは、LIXILとパナソニックが、床のU値を計算値で出しています。壁と天井のU値は、両社の資料にもありません。

パナソニック オフローラの浴室の床のU値(メーカーの計算値)。高断熱仕様0.86〜0.93、標準断熱仕様1.53〜1.61

図8(パナソニックの資料から。2025年2月)

同じパナソニックのオフローラでも、床の「標準断熱仕様」は、「高断熱仕様」のおよそ1.7〜1.8倍、熱を通す計算です。「標準断熱仕様」は、パナソニックの呼び名で、断熱が弱いほうの床です。LIXILとパナソニックのU値は、浴槽の材質など、計算の前提が違います。

床下が冷たい家は、ユニットバスの床を見る

床で断熱する家は、床下に外の空気が通ります。国土交通省の新築向けの手引きでは、この家のユニットバスの下は、外に近い温度になるとしています。手引きは、下が断熱されたユニットバスを使い、まわりのすき間をふさぐよう示しています。

床下に外の空気が通る家の、ユニットバスのまわりのイメージ

図9(イラスト。国土交通省の新築向けの手引きから)

同じ手引きでは、壁の中に断熱材を入れる家の場合、浴室まわりの断熱はユニットバスを取り付ける前に済ませます。取り付けた後では、施工しにくいためです。

お宅の床下がどうなっているかは、現地調査で見ます。

壁・天井にも保温材があると、浴室の空気は冷めにくい

高断熱浴槽は、主に湯船のお湯を冷めにくくします。壁・天井などの保温材は、浴室の空気を冷めにくくします。メーカー2社の試験では、保温材を付けた浴室の空気は、付けない浴室より、30分後に7.1℃、45分後に約8℃高い結果でした(図10)。オプションのメーカーなら、見積りに保温材が入っているかを確かめます。

壁・天井などに保温材があると、浴室の空気は冷めにくい。測ったのは浴室の空気の温度で、湯船のお湯の温度とは別。クリナップの試験では、入浴の30分後にラクヴィア20.6℃、保温材のない仕様13.5℃。トクラスの試験では、シャワーを止めて45分後に、AXIYのフル断熱が付けない仕様より約8℃高い。2社は試験の条件が違う

図10(各社の図から。2026年10月時点)

クリナップの試験では、入浴の30分後の浴室の空気は、ラクヴィアが20.6℃、保温材のない仕様が13.5℃でした。トクラスの試験では、AXIYのフル断熱を付けた浴室の空気が、付けない浴室より、45分後に約8℃高い結果でした。

クリナップの試験では、入浴前の浴室は、ラクヴィアのほうが約3℃低い所から始まっています(グラフの読み取り)。低い所から始まって、30分後には高くなっていました。

この数字は、同じメーカーの中で、それぞれの試験の条件で、保温材の有る無しを比べたものです。家の浴室で同じ差が出るとは限りません。2社は試験のやり方が違うので、メーカー同士は比べられません。カタログの数字の見方は、家暖リフォームが説明します。

入る前に暖める

消費者庁は、温度差による事故を防ぐため、入る前に脱衣所や浴室を暖めておくよう呼びかけています。浴室を暖めるのには、浴室暖房乾燥機が便利です(TOTO・LIXIL・パナソニック・タカラスタンダード)。ユニットバスを替えるときに、一緒に付けることができます。

入る前に、脱衣所と浴室を暖めておくイメージ。消費者庁が、温度差による事故を防ぐため呼びかけている。浴室は浴室暖房乾燥機でも暖められる
図11 入る前に、脱衣所と浴室を暖めておく(消費者庁の呼びかけから)

補助金:窓の工事と一緒に

国の「みらいエコ住宅2026事業」では、高断熱浴槽に1戸48,000円の補助があります。補助を受けるには、決められた窓やドアの工事を一緒にします。

みらいエコ住宅2026事業で、高断熱浴槽の補助を受けるまでの流れと条件

図12(みらいエコ住宅2026事業の手引きから)

決められた工事は、居間や寝室など1部屋の、外に面した窓やドアをすべて断熱改修する工事です。浴室や脱衣所は、この1部屋に選べません。家が建った年、窓の製品の性能、目指す省エネの基準によって、ほかの断熱工事や設備が要ることもあります。お宅の場合は、現地調査のときにご相談ください。

この事業で申請する補助の合計は、原則5万円以上が必要です。48,000円だけでは届かないため、この事業で補助が出るほかの工事と合わせます。窓の工事が補助に入るかは、窓の種類と製品の性能で決まります。下限の例外は、図12のとおりです。受付は、予算がなくなると締め切られます。

自分で買った設備を付けてもらう工事は、対象になりません。家暖リフォームは、窓の内側に内窓を付ける工事もしています。

工事の日数と、お風呂が使えない日数

一般的には、ユニットバスから替える工事は2〜6日ほどです。在来のお風呂(現場でタイルなどを張って作ったお風呂)から替える工事は、4〜8日ほどです。

ユニットバスに替える工事の日数の一般的な目安。ユニットバスから2〜6日、在来のお風呂から4〜8日。工事のあいだは、お風呂に入れない日がある。いつから入れるかは工事の前に確かめる

図13(一般的な目安)

工事のあいだは、お風呂に入れない日が続きます。いつから入れるかは、工事の前に確かめておきます。入れないあいだは、銭湯や温泉、親せきの家などのお風呂を使います。

床下の土台を直すときは、さらに1〜3日ほど延びることがあります。床のコンクリートの乾きに時間がかかるときも、延びることがあります。

家暖リフォームでできること

  • 浴室:高断熱浴槽で、壁・天井・床に保温材が入った断熱ユニットバスに替えます。シリーズや仕様の選び方も、お宅に合わせてアドバイスします
  • 窓:今の窓の内側に、もう1枚、樹脂枠の窓(内窓)を付けます
  • 床:床下から、床板の下に断熱材を入れます(床暖プラン。床暖房ではありません)
  • 天井:天井裏に、綿のような断熱材(グラスウール)を吹き込みます
家暖リフォームでできる工事のイメージ。浴室を断熱ユニットバスに替える工事を強調。ほかに、窓の内側に内窓、床下から床板の下に断熱材、天井裏に綿のような断熱材(グラスウール)の吹き込み
図14 家暖リフォームでできる工事

料金の目安は、プラン・料金案内に載せています。

相談するとき

現地調査には、必ず専門の職人が伺います。入れる家は床下・天井裏に入り、入れない家は見える範囲で、今の断熱の状況を調べます。床下や天井裏に入るふた(点検口)を、新しく作ることもできます(費用がかかります)。時間は1〜2時間ほどです。

現地調査とお見積りは無料です。金額を見てから、断ることもできます。内窓以外の工事は、日程によりますが、現地調査から工事に入るまで1か月以内が目安です。

電話では「現地調査をお願いします」と伝えるだけでかまいません。受付は、基本的に平日です。

電話:0120-1181-46(フリーダイヤル)
お問い合わせ:お問い合わせフォーム

この記事の出典

  • みらいエコ住宅2026事業事務局「交付申請等の要件について(交付申請の手引き)D リフォーム 交付申請」(2026年8月17日版)p.14〜15、p.17、p.26〜27、p.31〜32、p.54
  • 日本建材・住宅設備産業協会「浴室ユニット及び浴槽の省エネ性能基準に関するJIS開発 成果報告書」(平成25年3月)p.3〜4
  • パナソニックAWエンジニアリング「浴室ユニットの断熱性能」(2025年4月1日)
  • パナソニック ハウジングソリューションズ「当社浴室ユニットにおける熱貫流率について」オフローラシリーズ(2025年2月20日)
  • パナソニック「あなたのバスルームができるまで」
  • 住まいづくりナビセンター リフォーム評価ナビ「お風呂リフォームは何日かかる?期間の目安や作業内容について解説」(2024年12月27日更新)
  • TOTO「サザナ」、「浴室リフォームでできること」
  • LIXIL「スパージュ あたたか」(4時間後の湯温の図)、お客さまサポート「浴室のサーモバスSは高断熱浴槽に該当しますか?」、「平成25年・28年省エネルギー基準評価対象製品性能一覧(暖冷房(外皮:ユニットバス床の熱貫流率))」(2026年10月23日)
  • タカラスタンダード「パーフェクト保温」、「浴室パネル」
  • クリナップ「ラクヴィア」、ニュースリリース(2024年2月1日)、「浴室・お風呂リフォームの工期(日数)・工程」
  • トクラス「AXIY」、「会社概要」
  • 国土交通省「住宅の省エネルギー基準 設計・施工編【全国(4〜7地域)版】第2版」(令和3年3月)p.85、p.87(新築向けの手引き)
  • 森勇樹ほか「住宅における高断熱浴槽の湯温低下抑制効果に関する研究」日本建築学会環境系論文集 第79巻 第700号(2014年)
  • 消費者庁「年末年始、高齢者の事故に注意しましょう!」(令和7年12月23日)p.3
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